ビーチで使うパラソル並の大きな日傘だ。
それを持って歩くのを想像してほしい。
まず、狭い道を歩くのに不自由だ。
人とすれ違えば嫌な顔をされる。
とても重たくて、少しの風でバランスを崩す。
好きでそんな大きな日傘を持っているわけではない。
すべてわがままな影のせい。影の言い分はこうだ。
「暑い、眩しい。日焼けする。夏はわたしがはみ出さない大きな日傘を使いたまえ」
日焼けする影がどこにいるというのだ。
しかし、影に逆らうことができない。
影がついてこなければ外は歩けない。
だから今日も汗だくになりながら巨大日傘を差して歩く。