このままいけるところまでいこう。
ぼくは自転車を漕ぎながらつぶやいた。
脚は規則的に伸縮し、足はペダルから離れない。
近くのコンビニに行きたかっただけだった。
なぜかどうしても止まれなくてコンビニの周りを六周してあきらめた。
無理矢理転んでみようかと思ったけど痛そうだからやめた。
「おやまぁ災難なことで」
と杖をついたおばあさん。
「夜になりゃ降りられるさ、オレも一度やられたんだ。十六の夏だった」
オートバイで並走しながら語ってくれたヒゲのおじさん。
ありがとう、日暮まであと二時間だよ。
あぁ小便してえなぁ。