主水くんは時間に精確な性格でションヴォリ氏がたとえひもじさのあまりに死んでしまっても時間にならないと食事を出さない。
その主水くんが頼りにしている懐中時計は彼のおじいさんが町で余所様から無断で拝借した由緒正しき品である。
主水くんは毎日寝る前にねじを巻き、正午の鐘の音に針を合わせる。
正午の鐘の音を聞くとき主水くんの時計は必ず11時54分18秒である。
ようやく主水くんの懐中時計が3時を指しションヴォリ氏お待ちかねのおやつが出てきた。
おやつはレーズン27粒とアーモンド6粒とココア一杯である。
「では、博士。水汲みに行ってまいります」