2003年10月26日日曜日

砂浜での一夜

きみの涙をぼくは一滴も逃すまいとしたからきみは何時間も、ただただ涙を流し続けた。
きみの涙は濃度を増し、ぼくは段々飽きてきて、しまいに吐いた。
真っ青な吐瀉物にぼくは我に返る。

どうしてもっと早く気付かなかったんだろうね。
きみの涙が甘いことを。きみが一言も喋らないことを。
月に照らされ銀を放ちながら
きみは波間に消えた。