懸恋-keren-
超短編
2002年8月3日土曜日
砂の城
砂浜で遊んだのは何年振りだろうか。
予想外に上手く出来上がった城をニヤニヤと眺めながら一服していた。
突然、茶色い液体に城は流された。
「果無さが美しいの?美しさは果無いの?」
大きな魔法瓶を片手で軽々と持ち上げながら少女は言い、最後の一滴とともに消えた。
残されたのはコーヒーの染みと魔法瓶。
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