懸恋-keren-
超短編
2002年8月11日日曜日
足音
コーヒーを飲みながら、階段を下りていたら、なかなか階段が終わらないことに気づいた。
考え事をしながら降りていたのでいつもより六段多く降りてから、ようやく気づいたのだ。
我が家の階段は十四段。
一階の床は二段下にある。
飛び降りる。まだ二段先。
「最初からやり直すんだ」二階まで昇ってみる。
見下ろして数える。確かに十四段。焦り始める。
数えながら降りる。1、2、3、4……14。
また一階の床は二段下。冷たい汗が背中を流れる。
・・・・・・覚悟を決めて、ひたすら降りることにしよう。
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