超短編
「クルトンがたくさん入ったスープを食べるのが夢でした」と料理教室の自己紹介で言うと、和やかだった雰囲気が変わった。食に関心が薄い家庭で育った私を見兼ねた叔父が外食に連れ出してくれた日、ポタージュのクルトンに私は感激したのだ。浮き実は少量と知ってからも、クルトンどっさりは譲れない。