超短編
虚と実の合間には、薄い皮がある。私はそれに穴を空ける。びりびりと破ることもあれば、針で突くだけのこともある。虚は怠そうに穴を通り、実へと流れ込む。多くの虚が流れると均衡を崩す。世が乱れ過ぎぬよう頃合いを見計らって膜の穴に薬を塗る。だが、最近は膜の治りが悪い。虚が空になりつつある。
+++++++++++予選通過