超短編
見慣れない顔ぶれだがすぐに見飽きた。どいつもこいつも同じ顔だからだ。老若男女、体形も髪型もさまざまなのに、確かに同じ顔なのだった。私が訝しげにしているのを見ると彼らは顔をひと撫でしてぬるりと顔をすり替えた。私の顔だった。私に父が、母が、祖父母や従兄妹がいれば、こんな顔だったかもしれない。