超短編
成功は唐突にやって来る。禁断の果実が生る樹を長年の研究により蘇らせ、初めて実った時、研究者は実験とは関係ない実務処理に追われていた。結実の瞬間を目にすることができなかった研究者は、ところ構わず当たり散らし、実に多くの機材を破壊し、衣服を脱ぎ捨て次々実る禁断の果実を貪り続けている。