懸恋-keren-
超短編
2010年9月26日日曜日
押し出された話
夢の中で夢に押し出された。
「何故、出ていかなければならない? ここが誰の夢だと思っているんだ?」
背中をぐいぐい押されながら叫んだけれど、夢には届かない。
抵抗しても、ぐぐぐ、ぐぐぐ、と押し出される。
ふいに軽くなって、眠りから覚めたのかと思いきや、月の蓋を開けて街を見下ろしていたのだった。
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