紙飛行機に乗って、僕たちの世界を探そうよ。
と、彼は言う。わたしたちはいつだってどこだって二人ぼっちだった。透明な鳥籠の中の番いの小鳥のように扱われた。皆、親切にしてくれるけれど、それだけだった。
わたしたちは鳥籠から逃げ出さなければならない。それはもう、揺るぎないことなのだ。
「紙飛行機でいいの?」
「紙飛行機がいいのさ」
「今日は雨が降っているよ?」
「大丈夫、雨粒なんかじゃ壊れないよ」
「風が強すぎない?」
「風で飛ぶわけじゃないんだ」
彼はわたしの額にキスをした。不安が吸い取られていくのがわかる。
彼が折ったちょっと不恰好な紙飛行機を手のひらに載せて、私たちは飛び立った。遠くへ
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