2007年6月6日水曜日

六月六日 見えない力

磁界に迷い込んだ少女は右手に磁石を握ったままだった。まるで右手がコイルになったかのように。
うろうろと歩いているうちにN極に引きずられていくが、少女は気付かない。
ようやく気付いた時には、尻餅をついたまま、ずるずると見えない力に引っ張られていた。
「どうしよう!」と涙声で叫ぶ少女に声を掛ける。
「持っている磁石を持ちかえて!向きを変えるの!」
それで効果があったのか、わからない。
さらなる大きな力が出現しのだろうか、磁界ごとどんどん遠くへ行ってしまった。