懸恋-keren-
超短編
2006年9月6日水曜日
毒が通じないレオナルド・ションヴォリ氏
昔むかし、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ初老だった頃、傘はコウモリの物だった。
雨が降ると人々はコウモリに頼んで傘に入れてもらわなければならなかった。
傘には蛇の目玉が欠かせないので、入れて貰ったお礼に蛇の目玉をコウモリに贈るのがマナーとされていた。
レオナルド・ションヴォリ氏がコウモリに贈る蛇の目玉は毒蛇のものばかりで、コウモリたちは大層喜んだ。
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