2006年9月16日土曜日

キスの味

叔父はトマトをコップの上で握り潰した。
大きな手からぼたぼたと落ちるトマトの汁は、私の股間から未だ溢れ出る血を意識させる。
叔父は塩を降ってコップを私に差し出す。
「トマトジュースだ、飲みな」
とてもジュースには思えないそれは、予想外においしかったが
ほんのり血の味がするのは、さっきの激しいキスでどこか口の中を切ったからだろう。