懸恋-keren-
超短編
2006年9月17日日曜日
香ばしい踊り
焼きとうもろこしの香りにつられて、祭に出かけた。
早速、お目当てのとうもろこしを買い、噛り付こうとしたその瞬間、とうもろこしが一粒づつみんな飛び出して行ってしまった。
とうもろこし達は、ぴょんぴょん跳ねながら盆踊りの輪に加わった。
うまく音頭に合わせて跳ねている。なかなか楽しそうだ。
しばらくとうもろこしの踊りを見物していたが、
まだ一口も食べていないのに芯だけになったとうもろこしを手にしていることを思い出し、どうしていいかわからなくなった。
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