2004年12月1日水曜日

イキハヨイヨイ カエリハ…

散歩にでかけた。道が分かれ、どちらに行こうか迷っていると影が指を指した。
「影の言うとおりに行ってみるか」
影は辻にくる度にビシッと指を指した。
僕は影の指図を見逃さないように下ばかり見て歩いた。
少しづつ影が長くなり、すぐに暗くなった。
しばらくは街灯を頼りに影は動いていたが、まもなく真っ暗になった。
はじめて辺りを見回した。暗くて何も見えないが、知らない場所であることは間違いない。
足が棒のように疲れていた。のども渇いた。冷たい風が吹いた。
でも僕は財布もコートも持っていない。ほんの少し近所を廻るつもりで家を出たのだから。
僕はその場にしゃがみ込み、目を閉じた。朝になれば影が家まで連れていってく れる さ…