2004年12月4日土曜日

ゆきのゆめ

ぼくの影の恋の相手は雪だるまだった。
近所の子供が作ったであろうその雪だるまの前を通り掛かかったその時
影は僕からすっと離れ、雪だるまに寄り添い、染み込んだ。
雪だるまは白ではなくなり、影は黒くなくなった。
僕はその光景を見てドキドキした。恋愛映画を見ているように。
翌日から雪だるまは溶け始め、四日後に雪だるまとは呼べない形になり、その二日後には跡形もなくなった。
僕はアスファルトに、僕の影の痕跡を求めたが、見つけることはできなかった。