向こうから黒猫のエスターがやってきて茶トラのゲイリーは声を掛けた。
『やあ、エスター。きみの頭に乗っている赤い物はなんだ?』
『こんにちは、ゲイリー。これ?拾ったの。温かくてとてもいいよ』
『ぼくも欲しい!どこで拾ったのか教えてよ』
ゲイリーはエスターに聞いた場所までやってきた。
大きい人間と小さな人間がベンチに座っている。
『あれだ』
ゲイリーは思った。
大きい人間はしきりに手を動かしている。
その中には色は違うがエスターの頭の物と同じようなふかふかしたものがあった。
「あ!ねこだ」
小さな人間がこちらに気付いた。
ゲイリーは少し迷ったが、近づくことにした。
「ママ、それ、このねこの帽子にしようよ」
「また?きのうもねこにあげちゃったじゃない。これはあなたの帽子なのよ」
「また作ればいいんだよ」かくしてゲイリーは毛糸の帽子を手に入れた。
明くる日、ゲイリーはギルバートと出会った。
『やあ!ゲイリー。なんだい?その頭に乗っている青いものは』