懸恋-keren-
超短編
2002年6月29日土曜日
実験
眼下では、まったく無関係で異なる時間が流れているのではないだろうか。
マンションの最上階から見下ろしていると、はたして本当に自分がこの世界の住人なのかどうか、自信がなくなる。
事実、雲のほうがよっぽど現実的で確固たる存在を私に示している。
ためしに、まだ半分コーヒーの入っているカップを窓から落としてみた。
やっぱり。カップもコーヒーも消えてなくなった。
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