2009年7月7日火曜日

膝小僧が二人

傷だらけの膝小僧二人、波打ち際で遊んでいる。
海水に沁みるだろうに平気な顔して遊んでいる。
わずかな血の匂いを、遠くで鮫が察知しているけれど、だからと言って膝小僧たちが襲われる心配はない。
その血は、おいしくないと鮫は知っている。

(112字)

↑意味がわからない。まあ、たまにはいいだろう(たま、か?)

それはそうと、ノベルなびの自分のページをあれこれいぢくってみているのだけども、なんだか難しい。
フラワーツーリズムから行くと「おすすめ」に拙作が入ってます。ありがとうございます。

ついでに、パフォーの投稿作にも、おかげさまでボチボチと拍手をいただいているようです。感謝。10日くらいで投稿締切らしいですよ、パフォー。

近況のような予定のような。
近況:ヘロヘロです。寝てばかりいます。
予定:秋に向けて、ものすごい作ることになりました、豆本。

2009年7月5日日曜日

Acid Rain

狂った子供がどれほど喚いても、世間はちっとも驚きやしない。
酸っぱい雨は、工場の機械をあっという間に錆びさせた。世界中の歯車が錆びても、まだ止まない。
けれど僕のしょっぱい涙を丸めて、飴玉にしてくれるのはこの酸っぱい雨だけ。
君にもあげるよ、犬っころ。舐めにくいなら、ペロペロキャンディだってあるんだ、ほらね。

(152字)

2009年7月4日土曜日

誰も見てないんだけどさ

僕は布団の中では夢を見ない。夢を見るのは風呂の中。ぬるま湯で微睡みながら見る夢に悪夢なんてない。近ごろは、あの子の夢ばかり見る。嬉しいけれど、夢の中でも夢が覚めても僕は裸だから、ちょっと決まりが悪いんだ。

(102字)

2009年7月3日金曜日

七月二日 本当は欲張り

短冊に書きたいことは決まっているけれども、まだ書かない。旧暦の七夕までに叶うかもしれないでしょう? そうしたら、違う願い事ができるじゃないか。

(70字)

2009年6月30日火曜日

生の煮魚

沸騰滝。地下のマグマが地下水を熱し、噴き上げる。山肌に到達した熱い地下水は湯気を上げながら勢いよく崖を落下する。
滝壺に棲む魚は、湯の中を濁った眼で泳いでいる。
ここの魚は美味いらしいが、もはや初めから煮魚で、煮ることも焼くことも、捌く必要すらなく、もくもくとした湯気が立ち込める中、釣ったばかりの魚を箸でつっつき、つっつき食するのだ。

(166字)

2009年6月29日月曜日

エンドレス

海辺で拾ったトランプにはクラブの9が、なかった。
「これはきっと、小さい女の子人魚の持ち物ね」
そうなの? そうなのかな? 人魚の女の子ったら、クラブの9をどうしちゃったんだろう。
「食べちゃったんじゃないかな」
僕たちは砂浜にトランプを並べて神経衰弱を始めた。終わらないゲームを、何度も何度も繰り返す。これからも、ずっと。

(156字)

2009年6月27日土曜日

再生

蜘蛛の糸が縦横に張り巡らされた白い部屋に私はいる。露で濡れた糸は偏光パールのような輝きをするからとても綺麗。私は糸を切らないように、露を零さないように、じっとしている。
「あ」
私は初めて声を出した。何を思ったのか、何を感じたのか、知る暇もなく声は口から飛び出していた。
声が衝突して、一本の糸が痺れるように振るえた。振動は糸から糸に伝染して、部屋中の糸がびりりと振るえはじめた。
振動する糸から露は全部零れ部屋を満たす。透明過ぎるその水に私は溺れた。溶けていくのが解る。
目覚めると、私はこの部屋を張り巡る糸になるのだ、きっと。