超短編
通り雨の後、しっとりと濡れたアスファルトを歩き、和菓子を買いに行く。 「あんず時雨ください」 口に入れる前に、ひび割れを覗き込む。何かが芽吹きそうだ。さっき歩いた道路でも、春になればきっと、ひび割れからタンポポが生える。