超短編
「夢だったらいいのに」イヤな事があるとそう思う癖がある。目が痒いとか、皿洗いが面倒とか。ある時、その日二十八回目の「夢だったらいいのに」で、身体の感覚がヌルリと入れ替わるような心地がした。以来、自分の足音すら愉快だ。現だったらいいのに。