2014年3月10日月曜日

奇行師と飛行師21

口をパクパクさせている蝸牛男に「おい、金魚男になってしまったのか?」と鯨怪人がからかう。
「こりゃ、茸仙人。似非読心術で蝸牛男を驚かせたな」
「蟻地獄じいさん、ごめんなさい……」
「蝸牛男よ、読心術などではない、たんなる年の功だ。驚かなくてもよい」
蝸牛男はまだ疑いの目で、蟻地獄男爵と茸仙人を代わる代わる見ている。
珍妙な祖父と孫の様子を見て、奇行師は大いに喜び、森の木に登り始めた。