懸恋-keren-
超短編
2009年9月18日金曜日
夢 第九夜
私は開店前のバーにいる。ビルの一室であるその店の椅子に座って水を飲んでいる。
よれよれのジャージを着たくたびれた男が店内を掃除している。
男がおもむろに指を鳴らす。と、シャッターが上がり磨きあげられたガラスの扉が現れ、味気ない蛍光灯はどこかに失せてやわらかな照明が灯る。
男はいつの間に着替え、髪や髭を整えたらしい。見違える姿でバーテンとなっていた。
私は椅子に座って水を飲んでいる。
(186字)
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