懸恋-keren-
超短編
2009年8月21日金曜日
夢 第六夜
新しい縮毛矯正が開発されて、友人は早速試した。さらさらな髪にご満悦だ。
私は彼女に一本の白髪を見つける。抜いて欲しいというのでそれを辿ると、根元に向かって太くなっていく。頭皮に至ると親指くらいの太さがあったが、ちょっと引っ張るとあっけなく抜けた。大きな毛穴を覗き込む。なにやら蠢くものが見える。右手に握った白髪がぶるんと震えた。
(163字)
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