懸恋-keren-
超短編
2006年11月7日火曜日
甘い汁
彼女は噛り付いた桃の汁をボタボタと滴らせている。
彼女の口から垂れた汁は、ギョッとするほどの青で、それを見ると彼女が人形であることを突き付けられる。
テーブルに溜まった青い桃の汁を指に付けて舐めると、桃の味の中にいつもの彼女の唾液の味がする。
早く桃を食べてしまえ。
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