懸恋-keren-
超短編
2006年11月21日火曜日
幻滅
朝起きると床に苺が生えていた。
仕方ないから裸足で踏み潰して歩く。
訪ねて来た男は狂喜した。そういえば、こいつは苺が好きだった。
男は私が歩く後を這って付いてくる。
砂糖を撒き、床の苺を犬食いする。
「だって勿体ないじゃないか。食べ物は大切にしなくちゃ」
赤くべとべとした口で諭すようなことを言うな。
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