朝、ポストに不思議な封筒が入っていた。
文字は見たこともなく、切手は真っ黒だ。
ぼくは部屋に戻り、封を開けてみることにした。
文字は読めないけど、ポストに入っていたんだからぼく宛に違いない。
ところがペパーナイフを使ってもハサミ使っても、破ろうとしても封筒は切れない。
あちこち触ってみた。なにか切り口がないかと思って。
そのとき、封筒は音もなく開いたのだ。
(あとで知ったのだけれど黒い切手がスイッチになっていたんだ)
でも、やっぱり便箋に綴られた文字を読むことはできなかった。
その晩、ぼくは小父さんにその手紙を見せた。
「銀河からだ」
小父さんは手紙を読み上げようとして、やめた。
「少年には必要のない手紙だ」
「でも、ぼくに来たものだ!」
「これは……私の悪口が書いてある。銀河め、なんてことを!」