超短編
四月某日、晴。空豆を茹でる。ふかふかの鞘の中で寝てみたいものだといつも思う。湯はたっぷり塩はしっかり。「そらまめうでてさてそこで」と唱えれば、いい塩梅に茹で上がる。ぼんじりの焼き鳥、冷奴、もちろん日本酒。ほろ酔いで寝床に入ると、ふんわり青い空豆の香り。鞘の中は思った通りの寝心地。