懸恋-keren-
超短編
2011年1月11日火曜日
友だちがお月様に変った話
お月さまと一緒に歩いていると、向こうからお月様がやってきた。
「あれ?」
互いのドッペルゲンガーを見ているというのに、お月さまとお月様は平然としている。
「なぜ?」
二人を見て驚いているのに、二人は何も驚いていない。
困ったな、と思いながらお月さまとお月様に挟まれて歩いている。
しばらく話しているうちに、お月様はどうやら幼なじみのZ君であることが判明した。
「なんだか、ずいぶん雰囲気が変わったね」
「そうかい? 君こそ、お月さまにソックリでびっくりしたよ」
月が眩しくて見上げることができない。
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