少年が、「これと同じもの、持っているでしょう?」とやってきた。
両手いっぱいに、大きな金平糖を抱えている。
「それ、どうしたんだい?」
「そこの角を通るたびに、頭に落ちてくるんだ。たんこぶだらけだ」
少年は、憎々しげに、部屋の奥を覗き込んだ。
どうやら、それがこの家の机にならんだ星のせいだ、と言いたいらしい。
星たちにはよくよく言って聞かせるから、と言いながら、星入りのココアをごちそうした。少年はココアに星を入れる様子を目をぱちくりさせながら見ていた。
ココアがとても美味しかったようで、少年の機嫌は直り、星は全部持って帰ると言う。「ぼくもココアを作る!」と。星は紙袋に入れて持たせることにした。
少年を送りがてら、角を曲がると本当に星がひとつ落ちてきた。
少年は素早くキャッチした。もう頭にたんこぶを作らない。
お知らせです。
第4回アソシエイト展inハウステンボス
テーマ:“~LOVERS~大切な人への贈り物”
会期:2011年2月9日(水)~23日(水)9:00~21:30
会場:パレスハウステンボス内 ハウステンボス美術館 展示室フロア
に、豆本を出品します。
ふくまめプロジェクトによる豆本コーナーに参加します。