懸恋-keren-
超短編
2011年1月17日月曜日
A HOLD UP
「手をあげろ!」
お月さま道行く人にそう声を掛ける。
人々は手をあげる。何も起こらない。誰も怒らない。
「おや、お月さまに脅されちまったねえ」
なんだか嬉しそうだ。
とうとう胸に指を突き立てられた。「手をあげろ!」
言われたとおりに両腕をあげたら、バラバラバラバラと星が落ちてきた。
「やっぱりお前だな!」
なんだか嬉しそうだ。
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