2010年12月13日月曜日

電燈の下をへんなものが通った話

電燈の下をへんなものが通るが、誰に聞いてもそんなものはない、というので眼医者に行った。
医者は首を傾げるばかりで、「これをあげましょう。診療代はいりません」と
いって、金平糖型のものをくれた。
それは机に並んだ星たちよりは、少し小さいので星なのかどうかはよくわからない。

だが、電燈の下を通るへんなものは増えていき、いよいよ鬱陶しいと思っていると
金平糖型のものは、もっと小さく、いびつになっていたのだった。
しばらくして、欠片しかないくらいに減ってしまう頃になって、ようやく電燈の下をへんなものを、星が捕まえて食べるようになった。
星たちの食欲は旺盛で、数分もしないうちに、へんなものはなくなった。
好い医者に出会ったものだ。