今夜の月は赤い。お月さまが酔っているせいだ。
仕方なく、背負って月まで送って行くことにした。
重たくて難儀していたら、サンタクロースに出会ったので、手伝ってもらった。
赤い月とサンタクロース。赤いセーターでも着てくればよかった。
ようよう月を送り届けると、「やあ!ありがとう。恩に着るよ」と、お月さまに背中を叩かれ、落っこちた。
いつものようにベッドに落ちるかと思っていたら、煙突だった。
ここは、サンタクロースが一軒目に訪れる予定だった家の煙突だそうだ。
「月のおせっかいはいつも迷惑なんだ」と、サンタクロースは笑っている。あまり迷惑しているようには見えない。
サンタクロースはまだプレゼントを置いていけないそうだ。そういう決まりらしい。
せっかくなので、子供たちの枕元に星の欠片を置いて帰った。