明け方前のサンタクロースは、大変に急いでいた。毎年のことだけれども。
ようやく最後の子供にプレゼントを配り(中身は「キツツキが啄いた木の突付きカス」だ)。
家を出て、ほっとしたのも束の間、サンタクロースはサーチライトのようなものでパッと照らされた。まずい!
思わず顔を背けたが、騒がしくなる様子はない。そっと明かりの源をたどると、金平糖型の輝く物体が転がっていた。
ああ、星か。
星を老トナカイの角に引っ掛け、サンタクロースはそりに乗り込む。
朝焼けに照らされるサンタクロースたちの姿を、星の光が隠してくれるはずだ。