懸恋-keren-
超短編
2010年12月3日金曜日
ココアのいたずら
ミルクパンで丁寧にココアを温めていたら、星がひとつ飛び込んでしまった。
慌てて取り出して、何事もなかったふりをして、友達に出したら、いたくお気に召したらしい。
うちに来る度に「ココアを作ってくれ」と頼まれるので、こっそり机の上の星をひとつ、鍋で泳がせる。
実際、ココアはやけにおいしくなるのだが、どういうわけだか星に訊いても、ココアに訊いても、教えてはくれない。
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