懸恋-keren-
超短編
2010年11月26日金曜日
水道へ突き落された話
月から街を眺めていたら、「オウ! 久しぶりだな!」と背中をドンと叩かれた。
そのはずみで月から落っこちた。
いつものとおり、そのうち家のベッドに転がるのだろうと思っていたが、洗面所の蛇口から出てきた。
水に押し流されている間どうやって息をしていたのかも、背中を叩いた久しぶりの人が誰だったかも、わからないままだ。
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