遮断機が降りる。もう終電は過ぎたはずなのに。
線路を渡らないと帰ることができない。
遮断機を潜って渡ろうか。
そう思った途端に、電車が近づいてきた。目の前を走り抜けたのは、随分昔に廃止となった旧型の電車だった。子供の頃によく乗っていたから、三十年ほど前の車両だ。
遮断機が上がる。あの電車はどこに行くのだろうか。
昔の記憶が蘇る。若かった父や母、毎日遊んだ友達。ランドセルの傷。
あの電車に乗るにはどうしたらいいのだろう。
豆本フェスタが終わったら、豆本作りは一休み……と思っていたのだけれど、そうならない空模様。