燃料を取り出そうと、鞄に手を突っ込む。焦っているからなかなか見つからない。
そりゃあ機械だから、燃料がなくなれば動かなくなって当然だ。だが、この人型ロボットは、そこらの燃料切れとはわけがちがう。
うっとりと目を潤ませ、スカートをたくしあげ、お尻を突き出したポーズで停止。
なんといやらしい、もとい、卑しいポーズ!
同じ型のロボットは数あれど、こいつはわざわざ、この格好になってから停止するのだ。
だって、この格好が一番カンタンでしょう?ワタシ、一刻も早く満タンにしてほしいんですもの、というもっともらしい言い分を囁いて。停止している間の時間の経過なんか、わかるはずもないくせに。
町中でやられると非常に困る。下着をずらして、尾てい骨の位置にある蓋を開け、燃料ボックスを取り替える。
するとすぐに、ぷるんと尻を震わせて、捲れたスカートを直しながら、ロボットは言うのだ。
「ごちそうさまでしたぁ」