懸恋-keren-
超短編
2006年6月23日金曜日
目覚め
夢の中で孔雀がくれた石の名前は「クリソコラ」と言うらしい。
手の中の緑色の石と本の写真を何度も見比べた。
きっとこれだ。
図書館は涼しくて、静かだ。
朝起きたら僕は孔雀の羽根と同じ色の石を握りしめていた。
その石を持って、僕は二か月ぶりに外に出た。
石も綺麗だけど、空も綺麗だ。
石は夢の中の孔雀がフンとして出してくれた。
石を排泄する孔雀は少し苦しそうで、僕は見ていられなかった。
石を出した孔雀は、少し笑って消えた。
僕は目覚める。
次の投稿
前の投稿
ホーム