2003年4月8日火曜日

午前五時

朝飯前の犬の散歩は十年来の日課である。
コースは近所の中学校を廻る1キロ強だ。
夏の早朝は気分がいい。
学校の正門までくると少しストレッチをしてから、犬と走り始める。
あれ。いつのまにか子供が一緒になって体操していた。
「おじさん、たまには違うコースにしようよ。」
「なんでいつも同じだって知ってるんだ?」
少年は答えない。
そして我々は走りだした。
少年は目的地でもあるかのようにズンズン進む。
「おじさんこっちこっち」
そこはジョンの実家だった。
ジョンの母とその飼い主の老婆は、無言の出迎えをしてくれた。