朝八時。オレは走ってる。朝練だ。
毎日変わらない景色。変わらないタイム。もはや惰性だ。
やれやれ次の角を曲がれば終わりだ。
オレはその時初めていつもと雰囲気が違う事に気付いた。
景色は変わりない。学校の裏門前の道。
だが、実はよく見えない。
いつのまにか霧が異常に濃くなっているのだ。
こんな濃い霧は初めてだった。
なんだか、夢の中にでもいるような、心許ない感じだ。
すぐ前にいたはずの先輩も見えない。
50m程で着くはずの門になかなか辿りつけない。
オレは急に不安になった。
オレ、ひとりぼっちじゃん。