懸恋-keren-
超短編
2003年4月15日火曜日
10時
雨の日の二時間目、国語、とくれば退屈の極みだ。
時計はなかなか進まない。
私は頬杖をついて、結露越しにぼんやりとグラウンドを眺めてた。
雨はいい降りで、もちろん体育なんかやってない。
グラウンドも空も、ひたすらどんよりとしていた。
それでも棒読みで教科書を読むセンセーよりはマシな気がする。
私は、校庭の真ん中にもやもやしたものがあるのに気付いた。
くねくねしている。少しづつ見えてきた。
……ピエロだ。
踊るピエロ。
なんだかゴキゲンになってきた。
もう雨の日も退屈しない。
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