リ、リリリーンリリリーン
朝の家事は忙しい。
手を抜いても気合いを入れても、毎日仕事がある。
私は家事が嫌いではない。掃除も料理も洗濯も、それなりに楽しみを持ってやってる。
でもやっぱりバタバタしてる時に電話がなるのは嬉しくない。私はイライラしたまま受話器を取った。
「はい」
「もしもし、まぁちゃん?」
相手は私を子供時分の呼び方で呼んだ。
「あの、どちら様で……」
「覚えてないんだね。あんなに遊んだのに」
「えっ…と」
「にゃんたん、だよ」
ぬくぬくとした感触と匂いが甦る。私の最初のともだち。