「やあやあ某、武蔵国、山奥に住まう……」
「何をしているのですか?」
「邪魔するない。拙者は月に決闘を」
「なに決闘?それは聞き捨てなりませんな。こんな所では迷惑です。移動しましょう」
「おぬしには関わりのないこと。余計な口出しは無用でござる!」
「何をおっしゃいますか、私に決闘を申し込むのでしょう?」
2002年10月30日水曜日
2002年10月29日火曜日
2002年10月28日月曜日
2002年10月27日日曜日
お月様とけんかした話
夜道を歩いていたら酔っ払いがやってくるのが見えた。
「参ったな。ありゃ、お月さまだ」
お月さまはフラリフラリと歩いてきてぶつかった。
「おーい。謝れよぅー」
あんまり怖くない。
「ぶつかってきたのはそっちでしょう」
「なんだとぉー」
お月さまは殴りかかってきた。
しかし、そのまま勝手に倒れてしまった。
しばらくするとふらふらと空に昇っていった。
「参ったな。ありゃ、お月さまだ」
お月さまはフラリフラリと歩いてきてぶつかった。
「おーい。謝れよぅー」
あんまり怖くない。
「ぶつかってきたのはそっちでしょう」
「なんだとぉー」
お月さまは殴りかかってきた。
しかし、そのまま勝手に倒れてしまった。
しばらくするとふらふらと空に昇っていった。
2002年10月26日土曜日
2002年10月25日金曜日
ある夜倉庫のかげで聞いた話
近所に大きく古い倉庫があった。よくないウワサ―怪しい男が出入りしている―が流れていて、親には近付くなと度々言われていた。
でも俺たちは構いやしなかった。ほら、ガキが秘密基地にするのに最適だろ?
ある日、俺は一人で倉庫を探険していた。夢中になって日が暮れるのにも気付かず、慌てて帰ろうとしたら声が聞こえてきた。
「お月さま、早く起きて下さい!日が暮れましたよ!まったくねぼすけなんだから」
でも俺たちは構いやしなかった。ほら、ガキが秘密基地にするのに最適だろ?
ある日、俺は一人で倉庫を探険していた。夢中になって日が暮れるのにも気付かず、慌てて帰ろうとしたら声が聞こえてきた。
「お月さま、早く起きて下さい!日が暮れましたよ!まったくねぼすけなんだから」
2002年10月24日木曜日
ハーモニカが盗まれた話
ポケットに入っているハーモニカがなくなった時は、神業だと思ったよ。
何しろポケットに手を入れて歩いていたオレはハーモニカを握ったままだったのだから。
握っていた物が突然なくなれば誰だって気が付く。
「やいやい。たいしたスリがいるもんだ」
そう毒付くと前方でピカリ、猫の目が光るのが見えた。
その夜、言うまでもなく下手クソなハーモニカは一晩中途絶えることがなかった。
何しろポケットに手を入れて歩いていたオレはハーモニカを握ったままだったのだから。
握っていた物が突然なくなれば誰だって気が付く。
「やいやい。たいしたスリがいるもんだ」
そう毒付くと前方でピカリ、猫の目が光るのが見えた。
その夜、言うまでもなく下手クソなハーモニカは一晩中途絶えることがなかった。
2002年10月23日水曜日
2002年10月22日火曜日
2002年10月21日月曜日
2002年10月7日月曜日
妊婦
「あら奥さん、お腹の赤ちゃん元気そうでなによりね」
「ありがとう。でもせわしなくてこまるのよ」
「手なら、まだいいじゃない。うちの子は口だったのよ。もう、一日中、喋り続けるものだから本当に困ったわ」
「それは堪らないわね。私はジャンケンだけだから、我慢しなくちゃ。そうそう、Sさんは5ヶ月ですって」
「あら、そろそろ出てくるころじゃない」
「そうなの。それでさっき電話して聞いてみたら、髪の毛が生えてきたって」
「まあ!珍しい。それは将来有望よ!」
「でも、大変らしいわ。伸び続ける毛を切ってはいけないんですって」
「でも長ければ長いほどいいんでしょう?」
「そう。膝まで伸びたら、天才らしいわ」
パウル・クレー≪偶像の園≫をモチーフに
「ありがとう。でもせわしなくてこまるのよ」
「手なら、まだいいじゃない。うちの子は口だったのよ。もう、一日中、喋り続けるものだから本当に困ったわ」
「それは堪らないわね。私はジャンケンだけだから、我慢しなくちゃ。そうそう、Sさんは5ヶ月ですって」
「あら、そろそろ出てくるころじゃない」
「そうなの。それでさっき電話して聞いてみたら、髪の毛が生えてきたって」
「まあ!珍しい。それは将来有望よ!」
「でも、大変らしいわ。伸び続ける毛を切ってはいけないんですって」
「でも長ければ長いほどいいんでしょう?」
「そう。膝まで伸びたら、天才らしいわ」
パウル・クレー≪偶像の園≫をモチーフに
2002年10月6日日曜日
ここがイタリア?
異国に来たのは初めてだ。
「なんだか違う世界に迷い込んだようだ」
「SF小説みたいなこと言うんだな。飛行機で半日、海を渡っただけじゃないか。」
連れは町並みを眺めながら簡単に片付けてくれたので、それ以上は何も言いたくない。
しかし、この不安は本物だと確信できる。
空港を出てから、我々の声と靴音以外何の音も聞いていないのだから。
パウル・クレー≪イタリアの都市≫をモチーフに
「なんだか違う世界に迷い込んだようだ」
「SF小説みたいなこと言うんだな。飛行機で半日、海を渡っただけじゃないか。」
連れは町並みを眺めながら簡単に片付けてくれたので、それ以上は何も言いたくない。
しかし、この不安は本物だと確信できる。
空港を出てから、我々の声と靴音以外何の音も聞いていないのだから。
パウル・クレー≪イタリアの都市≫をモチーフに
2002年10月3日木曜日
2002年10月1日火曜日
ある時間旅行者の最期
《極秘調査報告》
20XX年10月1日22時ごろ都内某所交差点での
不可解な事故についての調査結果。
彼が轢いた男と彼を轢いた男は同一人物であったとみられる。
以上。
パウル・クレー≪ふたり分叫ぶ男≫をモチーフに
20XX年10月1日22時ごろ都内某所交差点での
不可解な事故についての調査結果。
彼が轢いた男と彼を轢いた男は同一人物であったとみられる。
以上。
パウル・クレー≪ふたり分叫ぶ男≫をモチーフに
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