懸恋-keren-
超短編
2002年9月6日金曜日
G・Rain
三日も雨が降り続いていた。
コンクリートの壁はじっとりと汗をかいている。
俺は通りのオープンカフェでコーヒーを飲んでいた。
コーヒーは都会のカビくさいような埃っぽい雨の匂いに負けて、何の風味もしない。
今、俺はここで人を待っている。
あまり愉快な待ち合わせではない。
「よぉ。洒落たカフェでコーヒーなんて、たいそうなご身分だな」
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