2010年5月17日月曜日

ポンコツ船の沈没

カディス湾の老人は、女と見れば助け船。
我が娘に手を差し出したら、海にまっさかさまに落っこちた。
ついでに、地獄に落っこちた。 


There was an Old Person of Cadiz,
Who was always polite to all ladies;
But in handing his daughter,
He fell into the water,
Which drowned that Old Person of Cadiz.

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

2010年5月13日木曜日

父への貢物

マルセイユに棲みたる老父のため、
暗緑色のベールを被った娘たちが、
めいめいアンコウを獲ってきた。
丸ごと皿に乗っけて差し出せば、
マルセイユの父さんは大喜びで丸飲みする。 


There was an Old Man of Marseilles,
Whose daughters wore bottle-green veils;
They caught several Fish,
Which they put in a dish,
And sent to their Pa' at Marseilles.

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

アンコウにするかマンボウにするか迷った。

2010年5月12日水曜日

無題

「血の海に糸が垂れて、ギロチンがたくさん」
「おねむり薬100錠飲んだら綺麗に死ねる?」
「凍死ってどうかな」
と、屈託のない笑顔で少女が問う。

2010年5月10日月曜日

千代紙

千代紙の切り屑は蝶々になるものだと思い込んでいたけれど、そうではなかった。
本当かどうかわからないけれど、梅雨を連れてくるらしい。そういえば、紫陽花によく似ている。

2010年5月8日土曜日

無題

タイムラインは歌うよ。

2010年5月5日水曜日

飛行船群の襲来

プシケは、その日も電線を見上げながらトボトボと町中を歩いていた。それが彼の仕事であるからだ。傷ついた電線を見つけたらゲシュトットさんに報告する、というのがプシケの仕事だ。
その日は珍しく、傷ついた電線は一ヶ所も見つかっていなかった。プシケは少し退屈しながら上を見て歩いていた。
そんなプシケの視界に、白い楕円形の物体が入った。
「飛行船だ」
プシケは小さな声で言った。
飛行船は、一機ではなかった。青空に飛行船が犇めき、のんびり飛んでいた。すぐにプシケの視界は、飛行船で埋め尽くされた。
白い飛行船が眩しくて、電線が見えない。今日の仕事は切り上げだ、とプシケは決めた。サラミを買って帰ろう。
しかしゲシュトットさんに観察続行不能の理由を報告せねばならない。
プシケは日誌にこう記した。
「飛行船群の襲来につき」ゲシュトットさんはきっとカンカンに怒るだろう。けれど、何も嘘は書いていないさ。
プシケは、もう一度、空を見上げた。飛行船群はゆっくりゆっくり、東へ進んでいるようだ。

2010年5月3日月曜日

無題

猫が一匹、足りません。