2026年10月24日土曜日

#秋の星々 140字小説 コンテスト「本」未投稿作品

羊羹を切るのは難しい。真っすぐ包丁を入れるのももちろん難しいのだが、本煉羊羹ならではの深い色と艶に見惚れて刃物を当てる気になれないのだ。しかしそうも言っていられない。お茶が冷める。上手く切れれば今度はその断面の美しさに息を呑む。いつまでも見ていたいと思うのに気づけば湯呑も皿も空。