2024年10月10日木曜日

秋の星々140字小説コンテスト「長」未投稿作

十八歳の誕生日の二週間後、私はひとり夜行列車に乗っていた。窓の外を流れる夜をぼんやり眺めながら、朝までこうしているのも悪くないな、と思った。線路も夜も、人生も、ずっと長く続くような気がしていた。あの時乗ったブルートレインはもうないが、揺れながら過ごした夜のことを最近よく思い出す。