超短編
十八歳の誕生日の二週間後、私はひとり夜行列車に乗っていた。窓の外を流れる夜をぼんやり眺めながら、朝までこうしているのも悪くないな、と思った。線路も夜も、人生も、ずっと長く続くような気がしていた。あの時乗ったブルートレインはもうないが、揺れながら過ごした夜のことを最近よく思い出す。